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サウナは健康にいい?フィンランドの大規模研究でわかったことと、わからないこと
「サウナは体にいい」と聞いたことがあるかもしれません。根拠としてよく挙げられる研究を、数字と限界の両方から正確に見てみましょう。
ご注意: サウナは体に負担がかかります。心臓・血圧・持病のある方、妊娠中の方、飲酒後・発熱時・極度の疲労時などは、利用前に医師へ相談し、無理をしないでください。この記事は一般的な情報で、医療上の助言ではありません。温度などの数値は目安で、施設により異なります。
まず結論
- よく引用される研究では、サウナに入る頻度が高い人ほど、心血管疾患などで亡くなるリスクが低いという関連が報告されている
- ただし観察研究なので、サウナが原因でリスクが下がったとは証明されていない
- 対象は中年男性だけで、日本の施設でのふつうの利用にそのまま当てはめることはできない
- 「ととのう」感覚など、この研究が調べていないことも多い
研究の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載 | JAMA Internal Medicine(2015年) |
| 対象 | 東フィンランド在住の42〜60歳の男性2,315人 |
| 追跡期間 | 中央値20.7年 |
| 期間中の出来事 | 突然心臓死190件、致死性の冠動脈疾患281件、致死性の心血管疾患407件、全死亡929件 |
| グループ | サウナが週1回: 601人 / 週2〜3回: 1,513人 / 週4〜7回: 201人 |
結果:入る頻度との関連
下の数字は「ハザード比」です。基準のグループ(週1回)を1としたとき、追跡期間中にその出来事が起きる割合が何倍だったかを表します。1より小さいほど、起きにくかったことを意味します。
| 出来事 | 週2〜3回 | 週4〜7回 |
|---|---|---|
| 突然心臓死 | 0.78(95%信頼区間 0.57〜1.07) | 0.37(0.18〜0.75) |
| 致死性の冠動脈疾患 | - | 0.52 |
| 致死性の心血管疾患 | - | 0.50 |
| 全死亡 | - | 0.60 |
週2〜3回の群の突然心臓死は、信頼区間に1が含まれており、はっきりした差とは言えません。週4〜7回の群では、基準より低い数値が報告されています。
結果:1回の入浴時間との関連
| 1回の時間 | 突然心臓死のハザード比 |
|---|---|
| 11分未満(基準) | 1.00 |
| 11〜19分 | 0.93(0.67〜1.28) |
| 19分より長い | 0.48(0.31〜0.75) |
ここで言う入浴時間は、この研究の対象者のサウナの使い方での話です。「19分より長く入るのがよい」という意味ではありません。日本の施設の高温のサウナ室で長く入ると、やけどや体調不良のおそれがあります。
この数字を読むときの注意
- 観察研究である: 人々の生活を追跡して関連を見た研究で、サウナに入らせた群と入らせない群を比べた実験ではありません。サウナの効果以外の要因(もともとの健康状態、生活習慣など)が影響している可能性があります
- 健康な人ほど頻繁に入れる可能性: 体調が良いから頻繁に入れる、という逆向きの関係が混ざりうることは、観察研究の一般的な限界です
- 対象が限られている: 中年のフィンランド人男性だけで、女性や若い人、サウナに慣れていない人のデータではありません。研究者自身も、女性などでのさらなる研究が必要だと述べています
- 環境が違う: サウナの温度・湿度・入り方・水風呂の有無は、国や施設で異なります。結果は、日本の施設でのふつうの利用にそのまま当てはまるとは限りません
- 相対的な比である: ハザード比は割合の比で、個人の寿命や病気の確率を直接示す数字ではありません
日本の公的な情報とあわせて
消費者庁は、サウナ浴での事故に注意するよう呼びかけています。40歳以上では、めまい・意識障害や循環器障害の事例もあります。健康に関する報告があることと、誰にとっても安全であることは別の話です。持病のある人や、体調に不安がある人は、事故のデータも確認したうえで、医師に相談してください。
この記事の使い方
- 「サウナで病気が防げる」「長生きできる」とは言えません
- 回数や時間は、研究の数字に合わせるのではなく、体調に合わせて決める(頻度と時間の目安)
- 無理をしない。気分が悪いときは入らない
よくある質問
週4回以上入れば、長生きできますか?
いいえ。報告されているのは「関連」で、因果関係は証明されていません。この研究の対象は、もともとサウナの習慣がある中年男性です。
女性にも当てはまりますか?
この研究は男性だけが対象のため、当てはまるとは言えません。研究者も、女性での研究が必要だと述べています。
「ととのう」ことは、健康に良いのですか?
この研究は「ととのう」感覚を調べていません。この記事では、「ととのう」が健康に良いとは断定しません。
持病があっても、サウナに入ってよいですか?
一律には言えません。心臓や血圧に持病がある方、妊娠中の方などは、利用前に医師へ相談してください。
参考・出典
- Laukkanen T, Khan H, Zaccardi F, Laukkanen JA. "Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events." JAMA Internal Medicine, 2015. DOI: 10.1001/jamainternmed.2014.8187 / PubMed
- 消費者庁「サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―」(2024年6月5日公表。事故情報データバンクの登録情報、2024年4月末日時点)
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